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去勢・不妊手術

自然環境中で生きる動物たちは、単独や群れで行動し、縄張りを持ち、本能のままに繁殖行動を営んでいますが、人間社会の中で人と共同生活を行う動物たちは、もはや本当の意味での「自然状態」にはありません。ホルモンによって支配されることにより生じる現象、本能が、結果として動物自身の害になることや、人との共同生活に支障をきたす場合もあります。

去勢・不妊手術の大きなメリットとして挙げられるもののひとつに、生殖器系疾患の予防があります。例えば、雌犬では乳腺腫瘍の発生が多いですが(雌犬に発生した腫瘍中44~52%が乳腺腫瘍)、乳腺腫瘍と性ホルモンには明らかに関連性があり、早期の不妊手術により高い予防効果があることが知られています。また、この乳腺腫瘍をはじめ、雌の子宮蓄膿症や雄の前立腺疾患など、生殖器系疾患が発生する年齢は、動物にとって老齢に当たる時期が多く、これらの病気以外にも心疾患、腎疾患など併発疾患を抱えている場合には、発症してからの治療(手術)には若い頃の手術よりもリスクが高くなります。

以下に去勢・不妊手術の主なメリット、デメリットを挙げます。詳しくはご相談下さい。

去勢・不妊手術の主なメリット

  1. 望まれない妊娠を防止できる。
  2. 予防できる病気、緩和できる病気があり、動物の寿命や生活の質が向上する(下表参照)。
  3. 性ホルモンの支配から開放されることにより、動物自身のストレス軽減、性ホルモンに起因する問題行動の軽減効果が得られる。
  イヌ(雌) イヌ(雄) ネコ(雌) ネコ(雄)
予防できる病気 子宮蓄膿症 前立腺肥大 持続性発情 精巣腫瘍
子宮がん 精巣腫瘍 子宮蓄膿症  
その他の卵巣子宮疾患 肛門周囲腺腫 子宮がん  
偽妊娠 会陰ヘルニア その他の卵巣子宮疾患  
膣脱      
緩和できる病気や現象 乳腺腫瘍   乳腺腫瘍 スプレー行為
糖尿病     喧嘩による外傷・感染症
クッシング症候群     交通事故
クッシング症候群

去勢・不妊手術の主なデメリット

  1. 繁殖が不可能になる。(ホルモン性剤を皮下に埋め込む方法なら可能)
  2. 肥満、尿失禁や性ホルモン反応性の皮膚病などの可能性。
    1. 肥満: 卵巣・精巣摘出により必要カロリーが減少するため、術後は食餌量の調節をしましょう。
    2. 尿失禁: 原因は良く分かっていません。発生率は4%(手術なし;0.3%)との報告があります。内服薬で治療を行います。
    3. 皮膚病: 性ホルモン反応性の皮膚疾患があるとされていますが、去勢・不妊手術との関連は証明されていません。
  3. 全身麻酔のリスク。

    若く健康な動物でも、麻酔は100%安全というわけではありません。麻酔による合併症をできるだけ回避するために、当院では術前の身体検査、各種検査、モニター器機類による術前・術後の体調管理を徹底し、最善を尽くしております。

    1. 術前検査
      1. 稟告聴取・身体検査、血液検査(血液凝固系含む)、レントゲン検査、超音波検査、尿検査などを実施。
      2. 検査内容にはオプション項目あり。
    2. 麻酔管理
      1. 去勢・避妊手術においても、術者1名、助手1名と麻酔担当者1名を配置。
      2. 麻酔担当者は専属で麻酔管理を行い、目視による血行動態の観察、各種モニター類による心拍数、心電図、血圧、動脈血酸素飽和度、終末呼気炭酸ガス濃度、呼吸数、吸入・呼気中麻酔量、体温などを監視し、適切な麻酔状態の維持と異常の早期発見・早期対応に努めています。
      3. 3名以上の手術チームで実施することにより、手術時間の短縮(麻酔時間の短縮、動物の負担軽減)、より安全で確実な手術が行えます。
    3. 感染予防
      1. 手術器具、術衣、グローブは滅菌されたもの、また可能な限りディスポーザブル製品を使用。
      2. 血管シーリングシステムや炭酸ガスレーザー、吸収性縫合糸を使用し、動物の体内に異物(縫合糸など)を残さないよう実施しています(縫合糸との因果関係が疑われる感染性病変や非感染性の肉芽腫の発生報告があり、最近注目されています)。
      3. 術野消毒や傷の管理も適切に行います。
    4. 疼痛管理
      1. 動物の痛みに配慮して、術前から鎮痛剤を使用し、必要に応じて術後の疼痛管理も実施しています。

去勢・不妊手術は予約制となっております。お電話にて御予約をお願い致します。

1: Factors influencing canine mammary cancer development and postsurgical survival. Schneider R, Dorn CR, Taylor DO. J Natl Cancer Inst. 1969 Dec;43(6):1249-61.